サライ12月号

新しいお知らせ

サライ12月号

特集「麵」の大国ニッポン
小麦麺(うどん)、蕎麦の歴史と文化のページを担当しました。
小麦は外皮が非常に硬く、かつ搗き臼での精白が難しく、米のように粒ごとやわらかく味わうことができません。
いったん粉にする必要がありました。その装置が水車などの動力式石臼です。

都には税として小麦も集まりましたが、小麦の製粉は個人レベルで行なえるものではありませんでした。
社会にうまく再配分するには大量に粉が挽けるインフラが必要でした。
取材の本筋ではありませんが、個人的には水車の社会的役割に強く惹かれました。

小麦の粒を粉にするのは手間ですが、挽いた粉を麵に加工するにもたいへんなな時間がかかります。
蕎麦においても同様で、庶民は麺という方法ではこれらの穀類をなかなか食べることができませんでした。
麵は特別な日のごちそうだったといいます。

麵食が日本の文化といえるまでに広がるのは、都市経済が発展し外食の習慣が一般化する江戸時代以降です。

うどんと蕎麦のうまさを決める秘密にも迫りました。